まとめ ⑤<本心>
<本心>
さて、そういう状況が整った時に、ようやく、自分の本心に気づくことになる。
恐怖を選ばないという、ただそれだけのことができない。
ほんっとうにできない。
訓練されていない心は、脊髄反射で恐怖を選ぶ。選び続ける。
遥か太古の遥か彼方での分離の責任は知らないが、今、この瞬間、私は分離を選んでいる。この世界を作っている。
そして、今、ここしかないという事実を思い出し、痛感する。
ああ、私は、帰れないんじゃない、帰りたくないんだ。
それでも私としては、帰りたくない理由も、『奇跡講座』が父的神を誤創造した自我に対して説明するように、
「神の罰が怖くて帰りたくない」
のではない、と思う。
私の自我としてのプログラムが、
「帰りたくないようになっている」
と言いたい。生き物は利己的に遺伝子を残そうとする。そのように私の体は、プログラミングされており、私の心はそのプログラミングに従って意志決定をする。
プログラミングされている? 誰に?
「えー、わからない」
と言いたいが、世界には私しかいない。
しかし、それならそれでなおのこと、もう自我である自分ではどうにもならないことが身に沁みる。もう理由なんてどうでもいい。
「聖霊……これ以上文句は言いません。助けて!」