1. 御父ってどちらさま ②<母なる神>
<母なる神>
私はキリスト教的御父と、あまりにも縁がなかった。
では、その代わりに私に縁があった、全ての源と言える概念は何か。
それは自然だ。
日本人である私は、文化圏的には、自然崇拝の多神教徒だ。
多神教徒は、自分自身を他の動植物と共に自然の一部だと思っていて、自然を自分の源だと思っている。つまり、自然=神である。
『奇跡講座』に出会う前は、私もこの考えを採用してきた。
もっともそれは、自然が自分の源であるという考えが科学的で合理的だと感じていたからで、多神教徒であることを自認していたわけではない。
そして、多神教は母性原理的な性格が強い。
「母なる自然」
の母という言葉は、科学的な意味での全ての命の大元という意味では比喩だが、そこに生命誕生の神秘、という意味が含まれれば、それは一神教的な全ての源、御父と同義になる。
多神教の神は自然の中にたくさんいるが、御父と同じ意味での源たる神は、母的だ。